東京高等裁判所 昭和27年(う)1212号 判決
被告人 石川か子
弁護人控訴趣意第一点乃至第三点(事実誤認に関する点)について。
児童を使用する者は児童の年齢を知らなかつたことにつき過失ない場合を除いては児童福祉法第三四条第一項第六号の所為に対しその罪責を免れ得ないことは同法第六〇条第三項の規定するところである。而してここに年齢を知らざるにつき過失なしとするには使用者が被用者たる児童の戸籍謄本又は抄本等についてその生年月日を調べたとか或は児童の親権者について年齢を確めてみたとかその他確実性ある調査方法を一応講じたことを要すると解せねばならぬ。
所論の如く単に被用者本人の言を信じたとか或は来客の一、二の者が被用者をその体格、容姿などの点から二十歳位に見たというような事情から被告人において被用者を十八歳未満に非ずと信じたとしても、それは結局年齢についての調査方法の不十分の致すところであつて過失なしとはいい得ない。
原判決が右と同一理由で弁護人の主張を排斥したのはまことに相当であり、この点に関し原判決には所論のような誤認はない。
論旨は理由がない。